モバイルルーターを契約しようと調べた人のほとんどが疑問に思うであろう「WiMAX」と「ポケットWi-Fi」の違い。両者にそこまで大きな差はありませんが、総合的に見るとWiMAXのほうが快適で安上がりです。
ここでは、ポケットWi-FiとWiMAXにはどんな違いがあるのか、あらゆる面から徹底比較、両者のメリット・デメリットの解説、数あるWiMAXのプロバイダから自分に合ったものを選ぶ方法を解説しています。
ポケットWi-FiとWiMAXは何が違う?
ポケットWi-FiとWiMAXは、どちらもモバイルルーター(持ち運び可能なインターネット回線)ですが、使用している通信回線が違います。
- ポケットWi-Fi :SoftBank・Y!mobileの回線
- WiMAX :UQコミュニケーションズ(KDDIの子会社)の回線
回線が違えば通信規格も違いますので、通信速度・通信の安定感といったインターネットの性能に差が出ます。
また、速度制限や月額料金といったサービス面にも差がありますので、自分に合っているのはどちらなのか見極めましょう。
ポケットWi-FiとWiMAXの比較
比較する項目は下記の7点です。
どれも快適なネット生活に必要なものなので、妥協せずに見ていきましょう。
ポケットWi-Fi | WiMAX | |
---|---|---|
回線運営元 | Softbank・Y!mobile | UQコミュニケーションズ |
最大通信速度 | 612Mbps | 758Mpbs |
月額料金 | 4,380円~ | 1,380円~ |
契約期間(縛り期間) | 3年契約 | 3年契約 |
違約金(最高) | 9,500円 | 28,500円 |
機種の性能 | 低い | 高い |
通信可能エリア | 山間部に強い | 山間部に弱い |
速度制限 | 3日間で10GB | 3日間で10GB |
ポケットWi-FiはSoftbank社と子会社のY!mobile社が運営する通信回線で、WiMAXはUQコミュニケーションズが運営しています。
他にもWiMAXを取り扱っている会社が数多く存在しますが、どれもUQコミュニケーションズの回線を借りています。
モバイルルーター業界全体の傾向として、多くのユーザーがWiMAXを選択しているためなのか、通信速度やサービスの質を見るとWiMAXのほうが進んでいる印象を受けます。

多くのユーザーを抱えているWiMAXは、月額料金や契約期間の短さにおいてもポケットWi-Fiに勝っています。
また、UQ WiMAXの「15日間の無料お試し期間」やGMOとくとくbb WiMAXの「20日間キャンセルOK」などのお試しサービスが充実しているのもWiMAXの特長です。
ただし、山間部で使うことを考えるとポケットWi-Fiのほうが良いかもしれません。
そこまで大きな差ではないものの、山間部などを中心にポケットWi-Fiのみ受信可能なエリアが存在します。
ポケットWi-Fiのメリットとデメリット
メリット
- 山間部に強い
- Ymobileスマホ利用者向けの割引がある
ポケットWi-FiはWiMAXに比べて、山間部での電波状況が良くなっています。
都心部などの平野部で使うなら深く考えずにWiMAXで問題ありませんが、山間部で使う予定があるならばポケットWi-FiとWiMAX両方のエリアマップを確認してから契約しましょう。
Y!mobileスマホを利用している人が、Y!mobileのポケットWi-Fiを契約すると「セットでおトクキャンペーン2」によって、ポケットWi-Fiの料金が1,000円割り引きになります。
詳しい情報はキャンペーンページにてご確認ください。
デメリット
- 値段が高い
- 通信速度が遅い
ポケットWi-Fiは、WiMAXに比べて月額料金が1,000円以上高く設定されていることが多いです。
体感できるほどの大きな差ではないですが、通信速度もWiMAXより遅くなっています。
WiMAXのメリットとデメリット
メリット
- サービスが充実
- 通信速度が速い
- auスマホユーザーの待遇が良い(スマートバリューmine)
WiMAXがポケットWi-Fiよりも良い点は非常に多く、ちょっと長くなるので項目ごとに分けて見ていきましょう。
サービスの充実
最安の月額料金を比較すると、WiMAXは1,000円台前半とポケットWi-Fiに比べて1,000円ほど安くなっています。
ただ、契約期間全体の平均金額で比較すると、どちらも2,500円程度と大きな差がありません。
しかし、WiMAXは分かりやすい月額料金以上の金銭的メリットがあるのです。
UQ WiMAXの「15日間無料お試し」やGMOとくとくbb WiMAXの「20日以内キャンセル無料」など、無料お試し期間が存在するのもWi-Fiのメリットです。
サービス提供エリア内でも、周りの建物などの環境によって思ったほど速度が出ないことがあります。
実際に使ってみてから契約できるので、速度が出ないから解約するのに違約金を取られるといった心配がありません。
So-net WiMAXの「2年10ヶ月で最新端末に無料でアップグレード」も素晴らしいサービスです。
契約直後の段階では最新端末でも、契約期間が終わるころの2,3年目には時代遅れの機種になっています。古い端末では回線の速度を活かしきれません。
契約年数が短いプロバイダや端末のアップグレードが出来るプロバイダを選んで、常に最新端末を利用することが快適なネット生活には重要です。
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通信速度が速い
WiMAXの最新規格であるWiMAX2+は、758Mbpsという速度を実現しています。
一昔前の光回線は1Gbps(1,000Mbpsと同じ意味)なので、無線通信でありながら固定回線と遜色ありません。
それに対してポケットWi-Fiは、市場が小さく通信技術の開発がWiMAXに比べて遅れていて、最大通信速度は600Mbps程度に留まっています。
通信技術は毎日のように新しい技術が生まれる分野なので、新しい技術を最速で取り入れているWiMAXを選ぶのが賢明な判断と言えるでしょう。
auスマホユーザーの待遇が良い
WiMAXは、auのグループ企業であるUQコミュニケーションズが運営しています。
グループ企業を優遇するために、auスマホユーザーがWiMAXを契約するとauスマホの料金が最大で1,000円安くなります。
ポケットWi-Fiにも同様の割引キャンペーンが存在しますが、SoftBankは対象外でY!mobileスマホしか料金の割り引きがありません。
さらに、ポケットWi-Fiは割引キャンペーンの内容が厳しいのも残念なポイントの一つです。
スマホとポケットWi-Fiの両方でデータ通信量が少ない契約プランしか選べないので、データ通信量を超えてしまうことが増え、「割引キャンペーンを活用したはずなのに料金が割高になってしまう」なんてこともあり得るのです。
デメリット
- 山間部に弱い
- キャッシュバックを受け取り忘れると割高になることがある
現状では、ポケットWi-Fiの方が山間部での電波状況が良いのは事実です。ポケットWi-FiとWiMAXのエリアマップを見れば間違いなく分かります。
ただし、WiMAXの通信可能エリア、高速通信可能エリアは常に広がっているので、半年後・1年後には立場が逆転している可能性があります。
一昔前は「建物内だとWiMAXは電波が入らない」のが普通でしたが、最近では地下でも電波が入る地域が増えています。
完全に日本全体をカバーするのは難しいかもしれませんが、徐々にエリアが広がり、ポケットWi-Fiと同様に山間部でも自由に使える日はそう遠くないだろうと思います。
WiMAXでは安い料金を実現するために、キャッシュバックを採用しているプロバイダが多くなっています。
契約期間全体の合計金額で考えると、キャッシュバックがあることで安くはなりますが、受け取り忘れてしまうと大きな痛手です。(キャッシュバック金額は高いところだと30,000円前後)
受け取り忘れなければ問題ありませんが、ほとんどの人は忘れてしまうと思います。そのため、カシモWiMAXのように、キャッシュバックなしで安い月額料金を設定しているプロバイダのほうが安心かもしれません。
総合的に見てWiMAXのほうがオススメ
- サービスの充実度
- 通信速度
WiMAXは上記の2点…というか、ほとんどすべての項目においてポケットWi-Fiに勝っています。
山間部での電波状況がWiMAX唯一の弱点となっていますので、山間部に住んでいる人や旅行などで長期間滞在する予定がある人以外は、WiMAXを選びましょう。
もちろん、Ymobileショップで友人や家族が働いている場合は別ですが、本当にそれくらいの特別な事情がない限りはWiMAXを選んでおけば心配ありません。
WiMAXの選び方
WiMAXがポケットWi-Fiよりも優れていることが分かったら、次は「どのWiMAXを選ぶべきなのか」について理解を深めましょう。
- 契約期間の合計金額の安さ
- キャッシュバックの有無
- auスマホ割引
- 契約年数の長さ
- 通信の安定感(UQ WiMAXが最強)
「何を重視するか」によって選ぶべきプロバイダが変わってきます。
基本的には、上記の項目に注目していれば自分に合ったプロバイダが選べますので、分かりやすく表にまとめてみました。
最安月額料金 | 契約年数 | 平均月額料金 | auスマホ割引 | |
---|---|---|---|---|
Broad WiMAX | 2,726円 | 3年 | 3,572円 | あり |
カシモ WiMAX | 1,380円 | 3年 | 3,621円 | ナシ |
So-net WiMAX | 2,780円 | 3年 | 3,620円 | あり |
UQ WiMAX | 3,696円 | 3年/2年 | 4,323円 | あり |
GMOとくとくBB WiMAX(月額割引) | 2,170円 | 3年 | 3,268円 | あり |
GMOとくとくBB WiMAX(キャッシュバックあり) | 3,609円 | 3年 | 3,337円 | あり |
表から分かるように、GMOとくとくBB WiMAXの「ずっと月額割引+5,000円キャッシュバック」のプランが、平均月額料金の点においては 3,268円と最もお得になっています。
ただし、キャッシュバックを受け取り忘れるリスクを考えると、大きな金額差がないのならば、キャッシュバックがないほうが受け取り忘れのリスクは低くなります。
月額料金が同じでもauスマートバリューmineによって、auスマホの料金割引があれば実質的には割安になります。
最大で毎月1,000円引きになるので、auスマホを使っている人は絶対に見過ごさないように!
最近では3年契約のプロバイダが主流になりつつあります。
ルーター端末は、年に2回新機種が発売されるため、最新機種に乗り換えたい方は、Broad WiMAXのように乗り換え時の違約金を負担してくれるプロバイダを選んでください。

UQ WiMAXは他のプロバイダに比べて月額料金が1,000円ほど高いですが、回線の運営元なので通信の安定感には定評があります。
ネットがないと生活が不自由になりますので、安心を月1,000円で買うと考えれば、それほど高い買物ではないとも言えるでしょう。
プロバイダの選び方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
参考記事:WiMAXおすすめプロバイダ5選!実質的な月額料金とサービスで比較しよう
まとめ
WiMAX とポケットWi-Fi 比較まとめ
- WiMAXはユーザーが多いからサービスが良い
- 通信技術もポケットWi-Fiの一歩先を行っている
- 迷ったらWiMAXを選ぶべき
WiMAXとポケットWi-Fi、どちらを選んだらいいのか迷ったら、「通信技術・サービス・コストパフォーマンス」すべての面で勝っているWiMAXを選びましょう。